都会と地方でのビジネスの仕方の違い

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私は、大学を卒業してから、ずっと東京で働き、2010年に長崎に戻ってきたのですが、戻ってきてから、東京では気づかなかったことにいろいろ気づきました。

東京でも働いていた会社がベンチャー企業だったので、伝統的な大手企業や官公庁とは組織風土が違っていたのですが、地方の企業や官公庁は、さらに違うと感じました。

東京で働いていたとき、インドのIT企業にシステム開発を頼んでいて、会社の人たちと「やはりインドと日本は違うねえ」と、言っていたのですが、長崎に戻ってきて、「あっ、あのインドの会社のほうが、じつは感覚が近かった!」と思うようなことが多々ありました。

何を言いたいのかというと、場所、環境は、思っている以上にそれぞれ違うものだというのがひとつ。
そして、もうひとつは、しかしながら、そこに慣れてしまうと、「世の中はそういうものだ」「これが常識だ」と思いがちなので、気をつけたほうがよいということです。

ある企業の人が、「日本はこうですよね」と言っていることは、ときに、「それって、その地域、もっと言えば、御社だけの常識です」ということだったりします。

どこが良いとか悪いとかではなくて、組織風土、環境は合う・合わないがあるので、自分に合うところを選んだほうがよいです。とくに、これから働く学生、そして、Uターン、Iターンを考えている人は。

例えて言うと、泳ぐのに、プールがよいのか、内海がよいのか、外海がよいのかみたいなことです。
あまり泳げない、泳ぐ気もないのに、外海に行くと流されて溺れてしまいますし、外海で泳ぎたい、泳げるのに、小さいプールで泳ぐのはすぐにつまらなくなるという話です。

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ここまで読んで、「で、ビジネスの仕方で何が違うの?」と思っている人も少なくないと思うので書きます。

まず、都会と地方の違いは、人口と、会社、商店、商品、サービス、情報の数の違いです。

「情報」は、このネット社会においては、それほど違わないように感じるかもしれませんが、自分が毎日を過ごしているエリアで、あるお店、会社(のロゴ)、商品、サービスを見かけるかどうかで、けっこう差が出ます。
その地域では有名なお店でも、近所にないと、まったく知らなかったりするものです。

都会、とくに首都圏は人も多いし、会社、商店、商品、サービス、情報も多いので、そういう発想で、自分の(自社の)ビジネス戦略を考える必要があります。

つまり、いかに自分の商品、サービスを目立たせるか、上位、できればナンバーワンにもっていくかです。
この場合のナンバーワンは、絞り込んだ状態でのナンバーワンです。
人も商品・サービス、情報も多いエリアでは、絞り込まないとナンバーワンは狙えません。

都会では、ターゲット、USP(独自の強み)、競合などをまじめに考える必要があります。
「絞り込む」「こういう特長をもった〇〇(絞り込んだ商品・サービス)といえば、自社(自分)」と、記号化して、ターゲットに知ってもらうことが必要です。

けれども、「絞り込む」とターゲットがいなくなるのが地方です。

また、地方での「ブルーオーシャン」(競合がいない状態)は、そもそも市場が成り立たないからそうなっている(誰もやらない、やった人は誰も生き残れなかった)可能性が高いです。

とくに、「新しくて面白そうなこと」「自己投資」に関することは、都会ではビジネスになりますが、可処分所得から考えて、地方では限りがあります。
むしろ、そこにいる人たちに合わせて「ローカライズ」したほうがよいです。

「ローカライズ」は、商品・サービスを海外に売る場合に、言語やその国の文化、習慣を考えて、内容を変え、対応することですが、この考え方は、日本の地方、それぞれの地域においても有効だと感じます。

そして、地方では、新しい人が新しいことを始めると、何もしなくても目立ちます
「いよいよ〇〇が出店」という、知名度が高い、力をもった企業以外は、下手すると、変化を望まない人たちから潰しにかかられます。
ある意味、自分の商品、サービスを目立たせてはいけないのです。

「浮かない」「溶け込む」「気づかないうちに浸透させる」「必需品にしてしまう」ほうがよいケースが少なくありません。

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最後に今回書いたことをまとめておきます。
・場所、環境は、思っている以上に違います。
・都会では、自分のビジネスが目立つよう、絞り込み、記号化が大切です。
・地方では、ローカライズして、溶け込ませることが大切です。


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